煮干しのカレーのレシピ

煮干しのカレー

煮干しは“だし”として使用することが多いですが、このレシピでは主役として活躍します。煮干しは現代人に不足しているカルシウムが豊富で牛乳の22倍も含まれていると言われており、カルシウムの吸収を助けるビタミンDもたっぷりです。鉄分も多く含まれているので貧血予防にもなります。

煮干しの臭みが気になるのでは?と思われるかもしれませんが、調理前の丁寧な仕込みと各種スパイスやしょうが、ニンニク、ココナッツミルクの働きにより見事に臭みを消してくれるのでとても食べやすいですよ。また、煮干しの歯ごたえが良いアクセントになっており、よく噛んで食べることで少量でも満腹感を味わえます。肉は使用しておらず油も控えめなのでダイエットに最適なインドカレーの一つと言えるでしょう。

煮干し 100g程度  
玉ねぎ 中1/2個  
にんじん 中1/5本  
ニンニク 1粒  
しょうが 人差し指の第一関節くらい  
トマト 中1個(程よい酸味と甘みが魅力のカゴメの完熟カットトマト缶1/2カップでもOK)
ジャガイモ 中1個  
サラダ油 大さじ1.5  
小さじ約1強  
ケチャップ 小さじ1(省略してもOK)  
1.5カップ程度(煮込み用)  
お湯 0.5カップ(ココナッツミルクパウダー用)  
ココナッツミルクパウダー 30g~40g  
(まろやかでトロピカルな味が好きな方は多めに入れましょう。
お好みに応じて量は調整して下さい。)
 

〈ホールスパイス〉

アジョワンシード 小さじ1/4(省略してもOK)
クミンシード 小さじ1/2
フェヌグリークシード 小さじ1/4
ベイリーフ 1枚(省略してもOK)
マスタードシード 小さじ1/2
レッドチリホール 1本(省略してもOK)

〈パウダースパイス〉

カイエンペッパーパウダー
(辛さを出すスパイスのため、お子様やお年寄りなど辛いのが苦手な方は入れなくてもOK。お好みに応じて量は調整して下さい。)
小さじ1/2~1
ガネーシャ特製ガラムマサラ
(最後に加えてスパイシーさを出すスパイスのため、お好みに応じて量は調整して下さい。)
小さじ1/4~1/2
コリアンダーパウダー 小さじ1.5
クミンパウダー 小さじ1
ターメリックパウダー 小さじ1/2

〈仕込み〉

  • 煮干しの頭と黒いはらわたを取り除きます。4人前で100gが目安ですが、頭とはらわたを取り除くとだいたい70g位になります。根気のいる作業ですがこれをすることで煮干しの臭み、苦み、えぐみをかなり抑えることができるので頑張ってやりましょう。慣れもありますが、煮干し100gの下処理にだいたい20分位かかります。
    その後、ラップをしないで電子レンジで1分程温めて余分な水分を飛ばします。
  • 玉ねぎとにんじんをみじん切りにします。にんじんは火が通りにくいので、玉ねぎよりも少し小さ目にカットしましょう。玉ねぎ:にんじんの分量比率は3:2くらいが目安です。玉ねぎの大きさに合わせてにんじんの量を決めましょう。
  • ニンニクとしょうがをみじん切りにします。ニンニクとしょうがのみじん切りは包丁の腹でつぶしてから細かく切るとやりやすいです。
  • トマトを粗みじん切りにします。調理中につぶれてしまうので大きさがバラバラでもOKです。カゴメの完熟カットトマト缶を使用する場合は、この仕込みは必要ありません。
  • ジャガイモを1cm四方くらいのサイズに乱切りします。小さ目にカットすることで火の通りを良くします。
  • ココナッツミルクパウダーをお湯0.5カップで溶きます。泡だて器で溶くとだまになりにくいです。まろやかでトロピカルな味が好きな方はココナッツミルクパウダーを多めにすると良いでしょう。
  • ガネーシャ特製ガラムマサラ以外のパウダースパイスをミックスしておきます。ホールスパイスも同様にミックスしておきます。レッドチリホール(省略してもOK)は手で半分にちぎって中の種を取り除いておきましょう。

〈調理〉

ベースとなるソースを作ります。まずはホールスパイスのテンパリングです。

鍋にサラダ油を大さじ1.5入れて中火で温めます。クミンシードを2粒程入れておき、ふつふつとなってきたら温まったサインです。

中火と弱火の中間に火力を落としたらホールスパイスを全量入れてじっくりテンパリング開始です。スパイスの成分をサラダ油に移すためにヘラで優しく混ぜたり鍋を少しゆすったり、鍋を斜めに傾けて炎の真上で温めましょう。

マスタードシードがパチパチとはじけてフェヌグリークシードが茶色に変わりスパイスの香りがしてきたらテンパリング完了です。

ポイント

  • この工程ではホールスパイスの香りを引き出すことが目的です。テンパリングに慣れていないとホールスパイスの豊かな香りがなかなかしてこないことがありますが、この現象は火力が弱い証拠です。火加減の調整は難しいですが、焦げ付かないように注意しながら若干火力を強くしましょう。
  • 鍋肌についたホールスパイスは焦げの原因になるので油の中に落としてあげましょう。テンパリングはとても重要な工程です。焦げてしまったらカレー全体が焦げ臭くなるので、やり直した方が無難でしょう。

テンパリング
こんな感じでテンパリングをします。

次に玉ねぎとにんじんのみじん切りを加えます。

最初は強めの中火で焦がさないように良く混ぜながら炒めます。少し玉ねぎの色が変わってきたら中火と弱火の中間ぐらいにして、このタイミングでニンニクとしょうがのみじん切りを加えます。火加減を適宜調整しながら玉ねぎから出る水分をしっかり飛ばしましょう。

最初と比べて量が1/3程度になり水分が無くなったらOKです。

ポイント

  • 炒めた玉ねぎは甘味とコクの元になります。焦げそうになったらサラダ油を追加して下さい。また、後工程でパウダースパイスを投入するのですが、パウダースパイスを投入すると玉ねぎとにんじんの旨みを引き出すことができなくなります。この工程でしっかりと炒めておきましょう。
  • このレシピでは普段は使わないにんじんのみじん切りを使いますが、にんじんの甘さも加わってカレー全体が優しい味になりますよ。


にんじんの色味が強いため写真では分かりにくいですが、玉ねぎがこれくらいの色になるまで炒めます。

玉ねぎとにんじんを炒めたら強めの中火にしてトマトの粗みじん切り(もしくは、カゴメの完熟カットトマト缶1/2カップ)を加えます。焦がさないように混ぜながら&トマトをつぶしながらしばらく炒め煮してトマトの水気を飛ばします。

その後、弱火に戻してガネーシャ特製ガラムマサラ以外のパウダースパイスを全量と塩を小さじ約1強とケチャップを小さじ1(省略してもOK)加えて粉っぽさが無くなるまで炒め煮します。
(お試しスパイスセットを使用する場合は、パウダースパイスミックスとカイエンペッパーパウダーを入れて下さい。)

しばらくして全体にとろみがついたらベースソースの完成です。

ポイント

  • パウダースパイスを投入する際は必ず弱火にして下さい。スパイスの成分は熱に弱い性質があるため、火力が強いと効果が薄れてしまいます。
  • スパイスの粉っぽい状態が解消されなかったり焦げそうであれば、ほんの少しお湯(分量外)を加えて下さい。お湯の加えすぎで味気なくなってしまうことがあるので全体の混ざり具合を見ながら最小限加えることがポイントです。ただし、水ではなく必ずお湯を加えるようにしましょう。温度が下がって味が落ちてしまいます。
  • ケチャップを入れることで味に締まりがでます。作り慣れていない方にお勧めの手法です。


こんな感じになったらOKです。

次に仕込んでおいたココナッツミルクと水1.5カップを加えて軽く混ぜ合わせたら、カットしたジャガイモと下処理した煮干しを加えます。火力は強めの弱火ですが、すこし泡が出るくらいの沸騰具合をキープしましょう。ふたはしません。

沸騰してくると、鍋のふちに白いあくが出てくるので丁寧に取り除いて下さい。また、水分が減ったら適宜お湯を少しずつ足して具材が浸る程度の水加減をキープしますが、水分が多すぎると物足りない味になってしまうので注意しましょう。焦げ付き防止のため時々かき混ぜながら15分程煮込みます。

ポイント

  • この煮込み工程では煮干しの“だし”をとる目的もあるため、お湯ではなく水を加えます。また、強火でグツグツ煮込んでしまうと煮干しの臭みが出てしまうので火加減に注意しましょう。

ジャガイモに火が通っているのを確認したらガネーシャ特製ガラムマサラを小さじ1/4~1/2(お好みに応じて)加えて更に5分程煮込み、味見をして完成です。

ポイント

  • ガネーシャ特製ガラムマサラは必ず調理の最終工程で入れましょう。前半で入れると香りが飛んでしまいます。また5分程煮込むことで、香りが引き立つようになります。
  • 調理中の味見で「塩気が足りないのでは?」と感じて思わず足したくなる衝動に駆られがちです。しかし、調理を進めるうちに水分は少なくなるので自然と塩気は強くなっていきます。従って、調理前半で塩気が足りないと感じても塩を追加しないようにしましょう。(個人的には、水分の多いインドカレーの塩加減は特に難しいと思います。)
  • 塩の入れすぎは後戻りできませんが、塩気が足りない場合は最後の味見で加える一つまみの塩がインドカレーを劇的においしくしてくれます。適切な塩加減により食材とスパイスの魅力を最大限に引き出すことができますよ。
  • 粗塩を使う場合の注意点として、粗塩は溶けるまで時間がかかるため入れた直後は塩気が足りない気がしますが、しばらくするとなじんできます。なお、冷める過程で食材が塩気を吸ってしまうので温めなおして食べるときには再度塩気を確認すると良いでしょう。


完成です。

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