ホールスパイスのテンパリング、香りを引き出すコツは火加減

2017.02.28
豆知識

前回、パウダースパイスの香りを引き出すコツについて紹介しましたが、今日はホールスパイスにフォーカスしたいと思います。

(過去記事)パウダースパイスの香りを引き出すコツは、油と熱

 

テンパリングとは?

ホールスパイスを油で熱して、香りと効能を引き出す工程をテンパリングと言います。

テンパリングは、インドカレー作りにおける最も重要な工程のひとつです。ここで引き出したホールスパイスの香りには、パウダースパイスにはない鋭さがあり、インドカレー全体の印象を締まった感じにすることができます。また、ホールスパイスを噛むと口の中で香りがフワッと広がり、とても良いアクセントになります。

 

焦がさないようにしっかり火を入れる

テンパリングで最も大切なことは、焦げるギリギリまで火を入れることです。従って、ある程度の熱量が必要になります。弱火でじっくりテンパリングする方法もありますが、焦げることを恐れて火加減を弱くするのは、個人的にあまりしっくりきません。

そこでポイントです。

まず、火を点ける前に油とスパイスを入れます。油を温めてからスパイスを入れる方法もありますが、温度が高すぎるとホールスパイスがはじけて飛び散る可能性があります。特にマスタードシードが危険です。

火力は中火です。しばらくするとフツフツと泡が出てきますが、油が温まっている証拠です。ヘラで優しく混ぜたり鍋をゆすったりしてホールスパイスの香りと成分を油に移しましょう。

テンパリング完了の目安となる変化はいくつかありますが、最も確実なのは、スパイスの香りが引き出されているかどうか、鼻を近づけてしっかり確認することです。カルダモンクミンシードクローブの香りが分かりやすいと思います。また、カルダモンクローブがプクッと膨れてくるのも目安となります。

まだ香りが引き出されていないのに、マスタードシードがパチパチはじけてくることがありますが、これは焦げそうな状態を表しています。なので、火力を下げて引き続き熱を入れてください。

注意すべきスパイスは、フェヌグリークシードです。このスパイスが最も焦げやすいと思います。なので、若干面倒ですがフェヌグリークシードは少しタイミングをずらして入れるのがオススメです。濃いめの茶色に変わり、メープルシロップのような甘い香りがしてきたらテンパリング完了です。

使うスパイスによって適切な火入れ時間が異なるので、明確な答えはありませんが・・・最も大切なのは、焦げる直前ギリギリまで引っ張る忍耐力でしょうか(笑)

 

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代表の大竹 慧(おおたけ さとる)です。スパイスをもっと身近に感じていただくために、家族、仲間達と一緒にオリジナル商品を開発しています。
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